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29 3月 2021

テーラーメイド:ベルギー食肉産業による新型コロナウイルス感染症パンデミックへの対応

2020年、世界は新型コロナウイルス感染症の脅威に見舞われた。世界中で様々な産業が打撃を受けたものの、ベルギー食肉産業はかなりうまいことパンデミックに耐えることができた。というのも、準備万端の緊急時対応計画を活用することができたおかげだ。当産業における回復力、柔軟性の良い例だ。 FEBEV(豚牛羊馬類のと畜場・食肉処理場に関するベルギー国立連盟)業務執行取締役のMichael Goreによる分析

備え:新型コロナウイルス感染症緊急時対応計画を用意する

2020年初めを思い出してみよう。あの頃のヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症についてはほとんど何も知られていなかった。世界中をロックダウンに追い込むような事態になるなんて誰が想像できただろうか?

それにもかかわらず、ほとんど情報が無かった早い段階から、ベルギー食肉産業は新型コロナウイルス感染症緊急時対応計画を作成し始めていた。自国ではどのようにして感染症が蔓延し得るだろうか?自社ではどのような対応が取り得るだろうか?

我々は、5段階のリスク分析と、それらへの対応措置と共に、行動計画を作成した。

初めての経験、従来の対応

我々は食肉産業での仕事を通して、食品安全や動物福祉に関する緊急事態に対応したり、リスク分析を行うことには慣れている。しかし、今回ばかりは全く初めての状況だった。

社内における流行病への対応シナリオは準備してあった。詳しく言うと、社員が欠勤したらどうするか、蔓延を食い止めるのにはどのような衛生対策が取れるか、どのようにして稼働を続けるか、といったものだ。

これが計画の基となっていた:感染症が社内で発生したらどうするか?

当産業の柔軟な緊急時対応計画は、他産業における模範としても取り上げられた

企業と FASFCとの緊密な関係

2020年3月13日、ベルギーではロックダウン措置が取られた。企業はどう対処すべきかを尋ねる電話をかけてきた。我々の計画はとても機能的であり、企業に対し、早急に実施するよう指示することができた。

日々新たな問題や知見が見つかった。我々はその計画を適用し、それらに対応し続けた。

我々は企業と共に緊密に働き、また、我々の機関にも出向しているフードチェーン安全のための連邦機関(FASFC)とも緊密な連携を取った。同機関は、各企業が新型コロナウイルス感染症に関する基本的な対応(衛生措置、マスク等)を行っているかの確認も行った。問題が発生したとの報告を受ければ、システムを改善させるためのヒントや知見を提示した。全面的に見て企業は、我々が提示した指示によく従ってくれた。

インスピレーションとしての食肉産業

現在に至るまで、食肉産業は、そうした運営計画を持つ数少ない産業のひとつであった。食肉産業にはとある課題がある。我々は、日々多くの人々と接する機会があるため、当初の計画にも対応措置が含まれていたのだ。

FEBEVは、全ての動物関連産業の中で、唯一政府との連絡が取れる機関だ。我々は、同業者から寄せられた全ての懸念事項を消化し、政府の経済特別委員会に取り次ぎ、緊急時対応計画に盛り込んだ。

さらに言えば、当計画を他の産業にも公開した。政府は当計画を模範とし、他産業へのインスピレーションとして用いた。

我々の新型コロナウイルス感染症への対応策は、我々が自ら考え行動していることの証明だ。つまり、テーラーメイドだ。

機敏性と柔軟性に象徴される

我々の食肉製造企業を象徴するのが機敏性だ。最も規制の多い産業の一つで柔軟性に富んでいることは矛盾しているように思えるかもしれない。しかし、腐敗しやすい製品を扱っているのだから、機敏に動かなくてはならない。FEBEVも同様だ。何か問題が起きれば、対応する。我々の企業の、先を見越した柔軟な働き方が、我々の取り組みにも反映されている。

これを忘れないでおきたい。パンデミックが起きたばかりのころベルギーは、まだアフリカ豚熱と戦っていた。困難ばかりの非常に難しい状況の中、諦めることなく、回復力を示した。わたしは、我々の企業がそうした状況に対応し、考え、計画の実行に協力してくれたことに誇りを持っている。こうした関係性がキーだったことは間違いない。

顧客への付加価値

我々の新型コロナウイルス感染症への対応策は、我々が自ら考え行動していることの証明だ。つまり、テーラーメイドだ。我々の企業は、顧客が必要としていることを考え、そうしたニーズに応える。

このパンデミックから学んだことにより、顧客への付加価値が与えられるようになった。我々の企業が妥協することなく、危機や困難に対応できると示すことができたのだ。そうした考えは、我々の働き方にしっかりと根差しているものだ。

我々の企業の努力は、柔軟性と回復力を示す。日々、顧客の喜ぶ製品を提供できるようにできることはなんでもする。

このパンデミックから学んだことにより、顧客への付加価値が与えられるようになった

信頼できる枠組みを作る

社会的状況は絶えず変化している。食肉は今や安全であるだけでは足りず、動物に優しい方法で生産しなければならない。また、新型コロナウイルス感染症対策に順守したうえで生産しなくてはならない。

そして、人々が特定の商品の真価を見極めるうえで、大事な要素がもう一つある。結局のところ、味が良くなくてはならない。

顧客が製品の本質に納得いかなくては満足できない。それに加え、我々は顧客に信頼してもらえるような枠組み作りに努めている。

完璧な生産と食品供給

我々は、危機をうまいこと乗り切ることができている。多くのと畜場が新型コロナウイルス感染症大流行に対応を迫られていた近隣国の状況を鑑みるに、我々は既に数歩先を行っていた。輸送、職員のための整備された居所、そして、企業の進捗に関わるパンデミックの影響・・・

事前にしかるべき手段を講じていたおかげで、時間を稼ぐことができた。2021年現在まで、汚染クラスターの発生数や、それらによる業界への影響はかなり抑えられている。何件かの感染は見られたものの、完璧な生産、食品供給を保証することができている。

しかしながら、昨年夏、とあると畜場にて大きな集団感染が起こった。しかし、そのことにより、ウイルスがどのようにして蔓延するのかを学ぶことができた。最終的には、現在進行中の、我々の製造環境における新型コロナウイルス感染症蔓延に関する研究プロジェクトの開始に至った。当プロジェクトは、数理モデルを利用し、どの程度この業界がウイルス蔓延の影響を受けやすいのかを調べるものだ。

当研究のおかげで、換気設備などへの投資に前向きな企業に対し、構造的な枠組みを提供することもできたのだ。

出版物

豚肉カタログ

食肉カット:ベルギーの食肉卸売業者により提供される、幅広い欧州産カット豚肉

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ベルギーの食肉卸売業者ガイド 2022

ベルギーの食肉卸売業者の概要:製品仕様、活動、認定、輸出先などが記載された、ベルギーの食肉卸売業者についての完全な概要

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